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2008年11月 アーカイブ

2008年11月03日

お誕生日でした

去る11月1日は、私のン十回目の誕生日でした。
もうこの年になると、あんまり嬉しくもないねーなんて言いながら、
やはり祝ってもらうと少しは嬉しいもので、
祝って頂いた皆さん、どうもありがとうございました。

そんな中、夕べのカラオケ代を私におごらせたA君、楽しかったから許してやるよ。
学生の頃からの、文字通りの腐れ縁で、酔っぱらったらいつもカラオケだったな。
B'zじゃないけど、あいかわらずな僕ら、だ。
ただ、変わったのは、もうお互い激しい曲は歌わなくなってきてるな、という事だ。
ジジイ臭く、体力がなくなってきているなあ。

じつは昨日は、友人と会う前に日本酒を5合ほど呑んでいた。
四メガ以内、じゃなくて嫁がいないとなんだか寂しくって、
つい近所のマルキョウから日本酒を買ってきて、
冷蔵庫にあった男前豆腐と紅ショウガでコップ酒をあおっていました。

このお酒、『蔵出し直詰生原酒』という名前(名前なのかな?)の日本酒なのですが、
蔵元が佐賀市のやまと酒造さん。
デフォルトで新聞紙に梱包というスタイルが面白いです。
見た目のインパクトもなかなかですが、味はしっかりと美味しい。
日本酒にありがちな臭みがなく、米の味がします。
で、こういうお酒は、やはり冷が美味しい。温めるとなんだか
味の要素がほどけてしまって間抜けな感じになってしまいます。
冷蔵庫でしっかり冷やして、部屋でチビチビやってるうちに室温が酒に伝わり
口に含んだらすっと旨味が立ち上がってくる程度の冷え具合、
これが自分にとってはベスト。
そういう呑み方がふさわしいお酒です。
マルキョウ田村店で5〜6本常時ストックされていますので、気になる方は行ってみてください。

このときのBGMが、シューベルトの4弦協奏曲『死と乙女』と、
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。
呑みながら来ていると、いや、聴きながら呑んでいるともうなんだかテンションが
ライブ感覚になってきて、気がつくと5合空いていたんだな。

シューベルト画像。itunesアルバムアートワーク用に作りました。
必要な方は、どうぞ。

2008年11月09日

買ったもの:『増補 幕末百話』篠田鉱造

読んでいて、侍がキライになりました(笑。
本当に、簡単に人を殺すし、そこには崇高な理念、いわゆる武士道というものは、
微塵も感じられません。斬りたいから斬る、腹立ったから斬る、
で、斬ったらダッシュで逃げる。

例えば冒頭・第1話『江戸の佐竹の岡部さん』に出てくる岡部菊外という侍。
以下は本文をそのまま引用。

『何か話せとおっしゃるが、別にこれぞという逸話もないが、
ここに生涯に八十八人を切った男がある。ソレを一つ聴いてもらうかね。
 その男は、佐竹候の家来で百石取、岡部菊外という仁(じん)さ。
屋敷は神田佐久間町二の二十八、佐竹の中屋敷に住んでいたが、
剛胆と言おうか無茶と言おうか、人を斬るのが飯より好きで、新刀(あらみ)を
求めると七人を斬らねば本当の斬れ味が分からないと言っていた。
 で、柄巻き師へは、取っ替え引っ替え刀を持ち込む。
これは血糊で柄が腐ってしまうからだ。・・・』

話者はすべて、幕末を生き抜いてきた古老達。
 国史としての幕末〜明治の流れはきちんとした記録があり、研究者がいて、学問として後世に伝えられている。
しかし、その辺のおっちゃんおばちゃん達が体験し、
あんときはこげんやったとよ、と語ってくれる市民レベルの歴史物語は、
そうそうお目にかかるものではなく、体験者の寿命とともに、この世から抹消してしまう。
それを惜しいと思った篠田が、名も無き人達から時間をかけて収集した、
非常に貴重な話集がこの本です。

 この、岡部氏の人斬り話はまだ続き、顔に泥を塗ってくれた風呂屋に
一泡吹かせるために一計謀った話で〆となります。
もちろん人斬りの岡部氏、ただの方法ではありません。
刑死した罪人の死体から手首を切り取り、湯船に放り込むという事をやってのけ、湯屋を寂れさせています。まさに剛毅というか、無茶というか。・・・

 次は、逆に辻斬りに遭った町人の思い出話。

『三人の侍は、バラバラと私を取り巻いて、(略)もうこの時は一人の侍、
私の襟首を捉え、一人は手を押さえているんです。
ヤッ試斬だなと思った時のヒヤッとした心持ち、胸はドキドキッと動機の早鐘、
速くなって震え上がっちゃったんです。』
結局、このご仁はタイミングよく逃げ仰せる事が出来たのですが、
辻斬りにやられた側の話なんて、そうそう聴けるものではありません。
命拾いを皆に祝ってもらって、赤飯を炊かれたなんていかにも庶民じゃないですか。

 他にも、正月三ヶ日の深夜帰宅していると、雷門の辺りに5人ほど
身を寄せ合っているのがいて、こちらに手招きをしている。
近寄って訳を聞いてみると、少し離れたところで侍同士斬り合いをしていて、
とばっちりを避けるために見知らぬ同士だが身を固めているという話。
「あそこで闘(や)っていますよ」。
耳を澄ませば、成る程刀の触れ合うチャンチャンという音が聞こえてくる。・・・

 暗い話ばかりではなく、お殿様の寝室の作りが、いかに豪奢であったかとか、
目隠し鬼をする新米の小姓が、目隠しをはずすとお殿様が茶目っ気たっぷりに
ワッと顔を近づけていて、仰天しまくった話、
お茶壺道中のお茶壺は、羽二重で包んで綿入れの袱紗(ふくさ)で
くるんでいるから、放り出したって壊れっこありませんというトリビアなど、
自分から5、6代前の人達がどんな世界で、どんな事を感じ、考えながら
暮らしていたのかが分かります。
 教科書には載っていない、というよりも、おじいちゃん、おばあちゃんからしか
伝わらない昔語りという雰囲気の、味わい深い小話集です。

気に入ったら、こちらからご購入ください。

アマゾンのストアにリンクしています。
アマゾンは、購入価格が1,500円以上だと送料が無料になります。
どうせなら・・・という方は、以下も合わせて買ってみても良いかも。

明治百話(上)(下)。私は上下巻とも持っています。
基本的に幕末百話と同じ作り方で、ただし話の対象が明治時代になっています。
人気のあった出張天婦羅屋の話とか、大久保利通の奥方の髪結いをしていたという女性の話など、こちらのほうがバラエティに富んでいて、飽きがこないかも知れません。

『浅草の東京亭の金田の親爺さん、デップリと太った通人肌で、
(略)東京亭を竹本大和太夫に譲ってしまい、自分は「扇夫(せんぷ)」と名乗って、
この人発明の「出揚げ(であげ)」というものを始めたものです。
 どこのお宅へでも呼ばれて、天ぷらを座敷で揚げる工夫をしたもので、
マアお座敷天婦羅の元祖でしょう。その工夫が巧妙に出来ていました。
 まず箱を二つ用意し、一の箱には揚げる野台が納め込んであって、
今ひとつの二の箱には、材料から水から粉から、油鶏卵といったように、
五人前の注文があると、チャンと五人前、少しも滞りなく、
物屑一つ残さないように、万事万端お座敷で始末をつけたもので、これが大評判でした。
 〜鶏卵を割り、天ぷらには白粉を使い、五人分を揚げた上、
ソノ残り油で茄子なんかあげて出します。
最後の鍋の油を掃除するときに、前に残しておいた、鶏卵の黄身を、
玉子焼きにして五人様のところへ差し出し、
「ヘイこれでお仕舞でございます」といった手柄は、思わず知らず
主客にヤンヤを叫ばれました。
 〜あの道具がさ、どうなったものか、今日になってもチョット粋なものですが、
そうそうあの時の配り手拭が、洒落ていました。
玄魚の案で、魚屋の平鍵を一本横に描いて、焼印にソノ「扇夫」と捺したところが、
全く意気なもんでした。』
・・・本当に粋だなあ。これが明治の通人か。

2008年11月18日

壁紙にこだわる

Windows Vistaの壁紙がカッコいい!

Ultimateというグレードのものだが、Coolです。
で、いろいろ調べていると、こんなのもあった。

Product Redだ。Appleストア限定で売られている、赤いiPodがこのProduct Redの
テーマ商品で、僕の愛機。畜生、なんでウィンドウズの壁紙にこんなんがあるんだ。

というわけで、自分で作りました。Product Redの壁紙。

今の僕のMacは、この壁紙を使っています。
たぶん著作権とかいろいろあるだろうから、ほんとは公開したらマズいんだろうな。

2008年11月22日

Product Red壁紙の元画像

壁紙を作ろうと思い、上のような画像をネットで探し出しました。
元画像は、縦横約2倍のサイズです。
これをフォトショップで開いて、レイヤに複製し、180度反転してぼかしをかける。
そして、乗算を適用。
さらにその上に真っ赤なレイヤを置いて、透明度を若干上げます。で、ふちを薄く黒く塗る。
一番上に、白文字でテキストを置いて、完成。

この辺の、完成図を頭の中に描きながら、いろいろチマチマと手をかけていく過程が面白いんです。興味のない人には、何言っているのかチンプンカンプンですよね?
この世のほとんどの壁紙(無料だろうが)は、
作者さんのこんな手数があって生まれてきています。

最近感じるのは、情報デバインドです。情報格差。
政治の話は書かない事にしているのですが、ちょうどタイムリーな話題で
この情報格差に関わる出来事がありましたので、採り上げてみます。
麻生首相の、医師は常識が足りない人が多い、という発言です。
これは、池田信夫 blogにあるように、報道機関により前後の文脈が取捨選択されて
伝えられているという問題があります。

池田信夫 blog「医師会には社会的常識が欠落している人が多い」

氏は、記事の中でその前後の文章を披露しています:
(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも「医者の数を減らせ減らせ、多すぎる」と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある。

さらに、日本医師会出身である宮崎秀樹議員(当時)の、
日本は医師が多すぎるという発言が引用されている。
つづいて氏がNHK記者時代の過激な体験が披露されているのだが、
それはリンク先で確認を願おう。
要は、医師は実際に非常識が多いのではないかという疑問(結論?)が、その体験から導き出されている。

この辺りの背景を首相の発言の背景として知っておかないと、発言の真意はおそらく
伝わらないし、大手マスコミはひょっとして意図的に「非常識」発言を
クローズアップしているのではないか、という疑問に行き着く事は出来ない。

毎朝、ラジオでサラリーマン向けの情報番組を聴いている。
おおむね面白く聴いているのだが、年配のDJ氏は、この業界の古株らしく”左の強打者”。
1から10までの自民党批判はスカッと胸がすく事もあるが、情報としては陳腐かつ役に立たない。
池田氏のブログで発言の背景を情報として身につける事がなかったら、僕も表面的な
首相批判を続けていたかも知れない。

それにしても、なんでも許せなくなった人が増えたような気がします。
もっとおおらかに、多少のアイタタは笑って見逃すのが人間の幅かと思うのですが、
そういう奴は見なくなったな。
ネットやテレビで、情報がまるで大洪水のように僕らの周りに溢れているように感じますが、
たとえ5万件、10万件の情報が集まろうと、その人に必要な情報量はそんなに
変わらないと思うし、ゴミ情報が氾濫するせいで、必要な情報がどれなのか
分からなくなっているという問題があります。
そして、情報は人を容易に批判家に育て上げるんだな。

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