薬物と身体改造で、もう体も心もボロボロだったのではないだろうか。
尊敬するアーティストの一人、マイケル・ジャクソンが先日亡くなってしまった。
ファンの一人として、もっと彼のパフォーマンスを見たかったと思う反面、
そういうファンの心理がおそらく彼をつぶしてしまった大きな原因ではないのかな、とも思っている。
彼はおそらく、とんでもなく高いところに自分の理想像を置き、それを実現しようとしていたと思う。
そしてそれに向かって才能を磨き、作品を発表し、ファンをはじめ世間の評価を得る。
ファンは当初は彼の夢に追随していた。ところが、ある時点から、ファンの望む
”マイケル・ジャクソンはかくあるべき”みたいな偶像が彼の理想を超えてしまい、今度はマイケル自身が”かくあるべきマイケル”を体現すべく、ファンの後を追うようになった。
自分の夢ではなく、ファンの夢、理想を追いかけだしたのではないだろうか。
死亡説ですが、実は僕はそれほど信用をしていない。
僕が彼なら、死んだと見せかけて社会から完全に姿を消し、改造に改造を重ねた身体を元に戻す手術をじっくりと受ける。
顔かたちをすっかり元に戻し、肌の色も元通り、心肺機能や筋組織(ドーピングでボロボロのはず)も回復させて、全く新しい人生を、いや、ひょっとしたら本来歩むべきだった人生を静かに歩き出す。
偶像はこれで、きれいなまま記憶に残される。
もはや、彼の生死はそれほど大きな問題ではない気がする。
マイケル・ジャクソンという世紀のヒーロー、おそらくもう出ないであろう最後のアイドルが、最も美しいまま歴史に名を残すとこになり、本人はひょっとしたら喜んでいるのかも知れない。