最近、昔の作風を忠実に再現した最新作、というアニメを見る機会が多い。
なんだかややこしい言い回しだが、絵柄が昔の、たとえば全盛期の永井豪や松本零士、手塚治虫など往年の大作家の方達の作風そっくりの新作アニメ。リメイクとは違う、れっきとした新作なのだ。
ただ、絵柄がそっくりなだけで、肝心な話に内容がない場合が多く、それが僕をイライラさせる。
手塚治虫や永井豪が僕らの心を捕らえて離さなかったのは、絵柄ではなくその感動的なストーリー、話の運び方、強引すぎるほどあくの強いエゴイズムにあったのだ。今放映されているそっくりさん達が活躍する”新作”には、それがない。話は凡庸、展開は退屈、そしてよほど押しはばかってネタを考えているのか、ほれぼれするような強引さは皆無。
なんでも昔のものが良かったなんて言うつもりは無いけど、昔のものにリスペクトされて創作された新作が凡作ばかりだとするのなら、やはりそれだけに、昔のものは質が高かったといわざるを得ない。
新作でもなんでもない、今放映されている作品はパロディ以外の何者でもない。
そしてパロディにはパロディとしての価値はあるが、本物・新作という評価は値しない。